アレルギー性結膜炎とは。花粉以外にも原因が?
目の健康
不快感もさることながら、見た目にもつらい「結膜炎」。感染で起こる細菌性結膜炎、ウィルス性結膜炎、アレルギーで起こるアレルギー性結膜炎などさまざまな種類があります。
今回のレクチャーは、「アレルギー性結膜炎」について。アレルギー体質でなくても発症するケースとは?
アレルギー性結膜炎とは
アレルギー性結膜炎とは、目の表面にアレルゲンが付着することで結膜が炎症を起こす病気です。白目の部分や瞼の内側の粘膜を覆っている薄い袋状の膜である結膜は、外界の刺激から眼球を保護する役割を持つため、細菌などの異物が目に入った際に炎症を起こしやすいのです。
主に2〜4月にかけて流行する花粉症も、アレルギー性結膜炎のひとつです。花粉症のように、季節によって現れるアレルギーが原因の結膜炎を「季節性アレルギー性結膜炎」といいます。
一方で、ダニの死骸などが細かくなったハウスダストや、猫や犬など動物の毛が原因で発症する結膜炎は、「通年性アレルギー性結膜炎」といいます。
季節性、通年性にかかわらず、アレルギー性結膜炎になると「目の痒み」「異物感」「充血」「目ヤニが増える」などの症状が引き起こされます。
目がかゆくなる理由
わたしたちの身体には、体内に入ってくるウイルスや細菌などの異物を排除しようとする「免疫」という働きがありますが、本来異物と判断しなくてもよい無害なものに対してまで過剰に反応することがあります。この過剰な反応のことを「アレルギー反応」といいます。
目はアレルギー反応が出やすい場所です。白目の部分を覆う結膜は直接外界と接しているため、アレルゲンと接触しやすくなっています。アレルギー反応が起こると「ヒスタミン」などの物質が大量に放出され、目の血管や神経を刺激し、強いかゆみや充血などの炎症を引き起こします。
コンタクトレンズを装用している際にアレルギー反応が起こると、「レンズが曇る」「レンズがずれる」といった症状が出ます。また、かゆみを感じなくても、上まぶたの裏にぶつぶつができている場合はアレルギー性結膜炎の可能性があります。
アレルギー体質のコンタクトレンズユーザーは注意
コンタクトレンズを使用していて、白いモヤが視界に入り見づらさを感じることはありませんか?白いモヤの正体はコンタクトレンズの「汚れ」。その元となるのは、涙に含まれるタンパク質や脂質です。
タンパク質や脂質が含まれる汚れには吸着性があり、空中に浮遊している花粉やハウスダストなどのアレルゲンを引き付けます。ソフトコンタクトレンズには水分を通す性質があり、水分と一緒にアレルゲンが目に届いてしまうため、アレルギー反応が出やすくなります。
アレルギー反応によるかゆみで目を強く擦ってしまうと、目の表面を傷つけてしまうことも。その傷が原因で、アレルギー症状が悪化したり感染症が引き起こされたりする危険性が高まります。
アレルギー体質の方は、花粉が舞う季節には特に注意が必要です。「1日交換タイプのコンタクトレンズを使用し、毎日新しいレンズに取り替える」「少しでも違和感やかゆみを感じたらすぐに外して、メガネにするか新しいコンタクトレンズを使用する」など、いつも以上にコンタクトレンズのケアに気をつけましょう。
症状がひどい場合にはすぐにコンタクトレンズの使用を中止し、眼科を受診することをおすすめします。
コンタクトレンズユーザーがなりやすい巨大乳頭性結膜炎
アレルギー性結膜炎のひとつに、「巨大乳頭性結膜炎」があります。巨大乳頭性結膜炎は、上まぶたの内側にできる1mm以上の巨大なブツブツが特徴で、アレルギー体質でない方も発症します。症状が出るとコンタクトレンズを入れていてもブツブツが邪魔して上にずれやすくなります。
巨大乳頭性結膜炎の主な原因はレンズの汚れです。十分なケアをおこなわず、コンタクトレンズを汚れたまま使い続けると発症するといわれています。前述した通りレンズはアレルゲンを吸着しやすいので、季節性アレルギー性結膜炎と同じくアレルギー体質の方は特に注意が必要です。
巨大乳頭性結膜炎は一旦発症すると、治るのに少なくとも1ヶ月はかかります。もちろんその間コンタクトレンズを使うことはできません。そうならないために、普段からコンタクトレンズのケアをしっかりおこなうようにしましょう。
まとめ
アレルギー体質の方が、花粉が舞う季節にコンタクトレンズを使用する場合には、いつも以上に入念なケアを心がけましょう。またアレルギー体質でなくても、コンタクトレンズの汚れが原因でアレルギー性結膜炎を発症してしまうこともあります。
もし「アレルギー性結膜炎かも」と思ったら眼科を受診することをおすすめします。