チョコレートは目に良い?

目の健康

チョコレートは目に良い?

早いものでもうバレンタインが近づいてきました。 各社本格的に新作チョコを続々発表したり、サロン・デュ・ショコラが今年も変わらず盛況だったりバレンタインは無視できない大きなイベントになりました。 バレンタインは女性から男性にチョコを贈るイベントとして日本では広まりましたが、今では男性から贈ることも珍しいことではありませんし、チョコ好きな方にとって世界中のチョコが集まるこの時期はチョコがよりどりみどりで堪らないそうです。

実は体にいいチョコレート

ところでチョコレートが実は目に良い食べ物であることはご存じでしょうか?
チョコは太るしにきびの原因になる…と意識的に避けている方もいるかもしれません。それも間違ってはいませんがチョコの原料であるカカオの効果は侮れません。
今回はチョコレートの目への効果についてお伝えします。

チョコレートが視機能を向上させる

「ダークチョコレートを食べると視機能が向上する」という研究結果がJAMA Ophthalmologyという医学雑誌に掲載されたことがあります。*1
被検者30名(平均年齢26歳の健康な成人、男性9名・女性21名)にフラボノイド(ポリフェノールの一種)を316mg含有したダークチョコレートとフラボノイドを40mg含んだミルクチョコレートを食べてもらい、視力などの視機能検査を行ったものでした。食べる前と食べた2時間後に検査を行ったところ、どちらのチョコを食べても視力、コントラスト感度が向上したのですが、特にダークチョコレートを食べた被験者の方が顕著だったそうです。

カカオポリフェノール

チョコレートの原料はカカオなので、カカオポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールとは植物が紫外線から身を守るために自ら作り出す成分の総称で、多くの植物が持っています。強い抗酸化作用があり、細胞を壊す活性酸素を除外することで美容に効果的だったり、動脈硬化など生活習慣病を予防したりするのに役立ちますので積極的に日頃から取り込んでいきたい成分です。

カカオポリフェノールも他のポリフェノールと同様に生活習慣病予防に効果的です。
目に限定すると、白内障・緑内障の予防、網膜の神経細胞への抗酸化作用、網膜の血管への抗酸化作用などがあげられます。目は光が網膜に到達して見えている情報を視神経を通して脳に送られることで物を見ています。そのためサングラスやUVカットコンタクトレンズを使っていても常に光が入ってくるので、どうしても酸化しやすい状態に常にさらされることになるため、ポリフェノールの抗酸化作用が効果的です。また、網膜への血管にも抗酸化作用が働くことによって血液循環がスムーズな状態を保ち黄斑症などから目を守ります。同じような効果を持つものとしてルテインが上げられますが、ポリフェノールが脳を含むほぼ全身の至るところに作用するのに対してルテインは目に特化しています。

おすすめのチョコレート

「チョコ」とだけ聞くと”ミルクチョコレート”を想像されると思います。ミルクチョコレートはカカオ25%以上、乳固形分14%以上配合されたものをいいます。濃厚な甘みとクリーミーさがあるのでお菓子として流通しているチョコのほとんどはミルクチョコレートです。ですが美味しい反面、太るしにきびの原因になる…と言われている通り糖が高く、カカオの含有量も低いので、健康のために食べる場合は”ダークチョコレート”がおすすめです。
ダークチョコレートは乳製品が含まれておらず、カカオが40~60%以上配合されたものをさします。カカオ独自の苦味や香り高いのが特徴です。この中でさらにカカオポリフェノールの効能に注目して製造された高カカオチョコレートは一般的に70%以上のものをさします。

高カカオチョコレートが流通しするようになってから時が経っていますので食べたことがある方も多いと思います。90%もありますが70%の時点で結構大人な味なので苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
もしお口に合わないようでしたら無理に食べる必要はありません。美味しく食べられるもので楽しく健康に気を配る方が精神的にも良いです。「好きかも」と思われた方は同じくポリフェノールを含むコーヒーと一緒に1,2枚食べるなど無理なく続けていきましょう。

*1 Effects of Milk vs Dark Chocolate Consumption on Visual Acuity and Contrast Sensitivity Within 2 Hours