目が悪くなる原因は?視力が低下する仕組み
目の健康
どうして「目」は悪くなるんでしょう。目の使い過ぎ?それとも遺伝?
今回は、目が悪くなる仕組みと原因を解説していきます。
目が悪くなる仕組み
わたしたちの目の中には、カメラのレンズのような働きをする「水晶体」という組織があります。水晶体は厚みをかえることでピントを合わせ、遠くを見ているときには薄いレンズ、近くを見ているときには厚いレンズになります。カメラのズーム・アウト機能と同じで、ピントを自動で調節してくれる優秀なオートフォーカスだともいえます。
しかし、近くばかりをずっと見ていると水晶体は厚いレンズのままになり、そのまま完全に元にもどらなくなることがあります。近くは見えても遠くはぼやけてよく見えなくなってしまう「近視」になるというわけです。
目が悪くなる原因
目が悪くなる原因には、「先天的要因」と「後天的要因」また「スマートフォン」の3つが挙げられます。
遺伝による視力低下
最近の研究では、12番染色体と18番染色体に強度近視の遺伝子があり、近視になるのは遺伝子要素が強いのではないかという結果が出ているようです。つまり、目が悪い両親からは目が悪い子供が、目のいい両親からは目のいい子供が生まれやすいということになります。両親から近視を受け継ぐ確率は約9割。かなりの高確率で遺伝してしまうようです。
また、子供の頃は目が良くても、思春期あたりから急に視力が落ち始めることも多いですがこちらは体の成長も関係しているようです。遺伝要因で視力が低下する場合は、小学校の低学年といった比較的早い時期から視力が下がり始めることが多いとされています。
環境による視力低下
「暗いところで本を読むと目が悪くなる」と注意されたことはありませんか?暗い場所で本を読むと、必然的に目と本の距離が近くなることで水晶体が厚いままの状態になり、目が悪くなる原因になってしまいます。他にも悪い姿勢で本を読む、勉強する、テレビを見る、ゲームをするなど、水晶体が厚いままの状態になる要因はたくさんあります。
さらに暗い場所でのこれらの行為は必要以上に目に負担がかかり、目が疲れやすくなります。
スマートフォンの使用による視力低下
スマートフォンの普及によって小さい画面を凝視する時間が増えています。高校生の裸眼視力1.0未満の割合が65.8%と、統計を取り始めてから過去最悪の結果となったと文部科学省からの発表もあります。低年齢層による視力低下は以前から危惧されていましたが、近年は高校生の視力が急激に低下しているようです。
一方、裸眼視力1.0未満の割合が中学生は52.8%、小学生は30.5%と、悪化傾向にあるものの過去最悪の結果ではありませんでした。高校生になってスマートフォンを使うことが、視力低下の最大の原因ではないかと推測されています。
スマートフォンは目に悪い?
スマートフォンが視力の悪化に強く影響するのは、パソコンやタブレット端末と比べ画面が小さく、かなり近い距離での使用になりやすいからです。目にはカメラのようにピントを合わせる機能があり、近い距離で使用するとその分、ピント合わせの筋肉に負担がかかってしまうのです。
また、ある調査では、スマートフォンを使用しているユーザーの目を調べてみると、近くを見るときに眼球を内側に寄せる輻輳反応、瞳孔を小さくして見る瞳孔反応がすべて消失していたという結果も。できるだけ負担を軽減しようとするこれらの目の反応が、スマートフォンの場合、距離が近すぎるために対応できなくなっています。
昔から「寝ながら本を読むと目が悪くなる」と言われていましたが、寝ながら本を読むと対象物までの距離が取れなくなり上記と同様の理由で警告されていたと考えられます。
まとめ
「先天的要因」や「後天的要因」により必ず目が悪くなるというわけではなく、あくまで「目が悪くなるきっかけ」にすぎません。
ただし、スマートフォンを長時間使用すると目に負担をかけるのは間違いないでしょう。休憩を入れて目を休ませながら使うことをおすすめします。