毎年ツライ花粉症!原因や対策を徹底解説
目の健康
毎年、春には「花粉で目がかゆい」と辛い思いをされている方も多いと思います。多くのコンタクトレンズユーザーを悩ませる花粉症は、アレルギー性結膜炎というれっきとした病気のひとつ。基礎知識を身につけて、正しい対処を施すことが重要です。
毎年花粉がやってくるのはどうして?
花粉到来のニュースでは「今年の花粉は過去最大」「去年の2倍」などというフレーズをよく耳にしますが、実際に春のスギ・ヒノキ科の花粉飛散量は昔に比べて増大している傾向にあります。
とある県を例に見ると、1995年から2004年の10年間に計測した花粉の飛散量よりも、2005年から2014年の10年間の方が上回っていたといいます。花粉が少ないという年でも、過去の飛散量に比べると断然多いということもあるようです。
花粉の飛散量を左右するのは、前年の夏の日射量。日射量が多ければ気温も高くなり、翌年の春は花粉が多くなります。日射量の増加は、地球温暖化が原因のひとつ。地球温暖化の現象が、花粉の飛散量に密接に関係しているそうです。
また、戦後に大量に植林されたスギが現在、開花適齢期を迎えているとのこと。地球温暖化とスギの開花適齢期が重なり、花粉の飛散量増加につながっています。
花粉症になる理由は?
花粉症は「花粉性アレルギー性結膜炎」というれっきとした病気のひとつ。花粉が目や鼻、喉の粘膜に付着することで、体の免疫機能が病原体と誤認して起こるアレルギー反応です。
花粉症の典型的な症状は「目のかゆみ」「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」。四大症状とも呼ばれ、ひどい症状になると鼻が完全に詰まる、目が開けられないほどのかゆみが出てしまうこともあります。
花粉症を引き起こす植物はいろいろありますが、有名なのは「スギ花粉」。日本では60種類以上報告されており、その中でも樹木花粉は風にのって数十キロから百キロ以上も飛び、樹木の少ない都会でも花粉症が発生する原因となっています。
花粉症の発症には、遺伝や花粉の量などが関係します。また、大気汚染やエアコンの乾燥、食べ物との関係やストレスなどによる粘膜の抵抗力の低下も原因のひとつとして考えられています。
アレルギー症状が目に現れやすいのは、粘膜が外に露出している部位だからです。花粉を吸い込むことで目に症状が出るということはありません。
花粉症の対策方法
花粉症対策に効果的な、マスク、薬による治療、目薬、メガネなど、さまざまな方法をご紹介します。
マスクをする
使い捨ての安価なマスクでも95%以上の花粉を防ぐことができます。アレルギーの原因となる花粉を鼻や喉に侵入できなくする効果がありますが、眼の症状については効果がありません。
薬で治療をする
ヒスタミンやロイコトリエンの放出を抑える効果を持つものや、アレルギー反応を引き起こす前に症状を抑える薬があります。一定の効果がありますが、眠気などの副作用を引き起こすものも多く、使うときは慎重に検討してください。
目薬をさす
花粉が目に入った場合、目薬で目から花粉を洗い流すのが効果的です。
ただし、アレルギー点眼薬はコンタクトレンズを装用したままさしてはいけません。抗アレルギー剤は薬剤のphや浸透圧の関係で、コンタクトレンズのカーブを変形させてしまうことがあります。コンタクトレンズをしたままでも使える人工涙液のようなものは問題ないとされていますが、抗アレルギー剤が入った点眼薬を使用する場合はよく眼科医に相談してからにしましょう。
花粉症用のメガネをする
花粉のシーズンもコンタクトレンズがよいという方は、花粉防止のメガネをかけてみるのもおすすめです。通常のメガネでも裸眼で目に入ってくる花粉を50%程度はカットできますが、花粉症用のメガネは90%以上カットできます。
コンタクトレンズとの併用なら、度なしのタイプがおすすめです。
1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを使用する
アレルギー性結膜炎の際は目の分泌物が多くなり、コンタクトレンズに汚れが付きやすくなります。汚れが付着したコンタクトレンズを使用すると、さらに炎症を起こして症状が悪化してしまう悪循環を起こしてしまいます。
解決策は「いつも以上に念入りな洗浄」、もしくは「1日使い捨てコンタクトレンズの使用」ということ。
2週間交換タイプ、もしくは1ヶ月交換タイプやハードコンタクトレンズを使用している方はレンズの洗浄が必要となります。もともと念入りに洗浄する必要がありますが、花粉症の時期はいつも以上に手間をかけて気をつけなければなりません。
1日使い捨てタイプのコンタクトレンズであれば、汚れが蓄積する前に交換できるので、衛生面では最も安心だといえるでしょう。
空気清浄機を設置する
空気清浄機は居間や寝室でなく、玄関、またはトイレに置きましょう。
帰宅したばかりの服や体には花粉が付着しています。室内に花粉を持ち込むのを防ぐためにまずは玄関で花粉のシャットアウトを。トイレに置く理由は、衣類の脱着が頻繁におこなわれることで花粉が舞い散りやすいからです。
その他の対策
花粉を防ぐ手段として他にもさまざまな対策が挙げられます。
・花粉が付着しやすいウールの洋服は避ける。
・アイメイクはできるかぎり避け、マスカラはウォータープルーフタイプを使用する。
・髪の毛は束ねて花粉の飛散をさける。
・1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを装用して違和感を感じたら即交換。
・帰宅したらうがいと洗顔をし、点眼薬で眼の花粉を洗い流す。
まとめ
花粉症はアレルギー症の1種のため、いつなんどき体がアレルギー反応を示すかわからず、今まで花粉症の症状が現れていないからといって安心はできません。「花粉症かも」と思ったら、眼科を受診することをおすすめします。
花粉症でお悩みの方も、検査を受けてみるとコンタクトレンズの使い方やケアの仕方など新たな発見があるかもしれません。