スポーツにおいて重要となるのが、身体能力はもちろん「視力」です。ぼやけた視界ではプレーに集中できず、パフォーマンスを発揮することはできません。
今回は、「視力」がスポーツにどう影響するのか解説します。スポーツをする際に必要な視力とは?

視力とは?

「視力」とは、物体がどのくらいはっきりと見えるかを数値化したもの。
視力検査では”C”のような形をした「ランドルト環」を見て、どちらの方向に穴が空いているか答える検査をおこないます。この検査で「視力1.0」が出たら、「5m先にある直径7.5mm、幅1.5mmの環の切れ目の方向がわかる能力」があることとなります。
「視力2.0」なら「10m先の直径7.5mm、幅1.5mmの環の切れ目の方向がわかる能力」、「視力0.5」なら「2.5m先の直径7.5mm、幅1.5mmの環の切れ目の方向がわかる能力」ということになります。
実際の検査では、ランドルト環に近づいたり離れたり、向きを変えたりしなくてもいいよう、視力表にさまざまな大きさや向きのランドルト環が書かれています。今まで見えていた大きさのランドルト環がぼやけて感じたら、コンタクトレンズデビューのタイミングかもしれません。

スポーツに必要な「動体視力」とは?

スポーツをする上でかかせない「動体視力」とは、「動いている対象物を見る能力」です。動態視力には「DVA動体視力」と「KVA動体視力」の2つの種類があるのをご存じですか?

DVA動体視力(DVA:DynamicVisualAcuity)

“横方向の動き”を判断する動体視力。DVA動体視力の測定では、すばやく横に動くものを、いかに速く見抜くかを数値化します。

KVA動体視力(KVA:KineticVisualAcuity)

DVA動体視力に対して、”前後方向の動き”を判断する動体視力。KVA動体視力の測定では、遠くから近づいてくるものを、見抜く能力を測定して数値化します。

 

DVA動体視力がとよい人とKVA動体視力のよい人では、向いているスポーツが違うといわれています。
例えば、バスケットボールやサッカーのように、選手の動きやボールの動き、視野が左右に大きく広がるスポーツでは、DVA動体視力が重要であるといえます。それに対し野球などでは、遠くから近くへ来る速いボールを見極められる、KVA動体視力が重要となります。
動態視力を向上させるコンタクトレンズはまだ開発されていませんが、近い将来登場するかもしれません。

目が回らないものの見方

動体視力は動いている物を見る力ですが、自分が動く場合には、「スポッティング」という力が働きます。フィギュアスケートの選手やバレエダンサーがスピンを終えた後も平然と立っている力も、「スポッティング」という技術です。
スポッティングのコツは、「スピンをする時に遠くの一点に集中しそれを見つめる」「体を回転させながら、ぎりぎりまでその点を見つめ続ける」「頭を回す時には一気に回し、再び遠くの点を見つめる」の3つを繰り返すこと。
言われてみると、バレエダンサーは正面を向いている時間が長いような気がしませんか?
日常でスポッティングを使える場面は少ないかもしれませんが、訓練しだいで誰でも習得できる技術なので一度試してみてもよいかもしれません。

スポーツには色を見分ける力も必要

サッカーで審判が使うレッドカードやイエローカード、野球でボールは緑・ストライクは黄色・アウトは赤で表示されるなど、スポーツは色で勝ち負けや得点の有無を判断することも多くあります。またユニフォームの色もチームによってさまざまで、スポーツシーンにおいて「色を見分ける力」も必要だといえます。
ですが、男女によって色の見え方が違うという研究結果が出ているのです。たとえば「オレンジ」を見た時に、男性は女性よりも赤っぽく見え、芝生を見た時には男性は黄色寄り、女性は青色寄りに見えます。
目の構造は男女で同じですが、男性の場合「テストステロン」といいう男性ホルモンが、目で見た色の情報を処理・解析分析する際に影響しているといわれています。
女性は色の微妙な差異に敏感であり、男性は動いている物体をとらえる”動体視力”が女性よりも優れているとう研究結果も出ています。これは、人間が狩猟をして生活していた時代の男女の役割の違いが関係しているようです。男性は狩りを担当、女性は木の実などを探す役割をしたことで、男性は「動体視力」女性は「色の認識」の能力に特化したのではないかという説が有力です。

まとめ

スポーツをする際には、遠くを見る力だけでなく、動くものを見る力や色を見分ける力が必要です。
ご自分がどんな「見る」が得意なのか、意識してみると役に立つかもしれません。