コンタクトレンズの正しいケア方法。日頃から気をつけることは?

ケア方法

コンタクトレンズの正しいケア方法。日頃から気をつけることは?

コンタクトレンズを使用するにあたって欠かせない“ケア“。コンタクトレンズの日々の洗浄だけではなく、1日交換タイプのコンタクトレンズをお使いの方もご自身の目のケアをおこなわなければなりません。近年、コンタクトレンズの新素材が登場したことで、ケアの方法はますます細分化されています。
そこで今回はコンタクトレンズのケアの最新事情&ケア方法をレクチャー。あなたのケア方法、本当に合っていますか?

コンタクトレンズの汚れの種類

装用したコンタクトレンズには、涙液分泌による汚れが付着します。それらの汚れをそのまま放置しておくと、装用感が悪くなったり、目に障害を起こしたりする原因に。1日使い捨てコンタクトレンズ以外のコンタクトレンズでは、しっかりとした毎日の洗浄が必要となります。
コンタクトレンズに付着する汚れにはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なものとして「外界からの汚れ」「タンパク質」「脂質・カルシウム」が挙げられます。

外界からの汚れ

ハウスダスト、ほこり、チリ、砂、タバコの煙、女性の場合では化粧品など、日常生活の中にはコンタクトレンズの汚れやバイ菌の元となる物質が多く存在します。また体から出る汗や、目には見えない細菌もコンタクトレンズに付着することがあります。

タンパク質

体の内側からコンタクトレンズを曇らせる原因となるのが「タンパク質」。タンパク質はそのままでは害のないものですが、酸化したり、乾燥して固着すると視界不良につながってしまいます。
意識して防ぐことは難しいので、コンタクトレンズをしっかり洗浄して汚れを取り除きましょう。

脂質・カルシウム

その他にも、油分を含んだ「脂質」や涙に含まれる「カルシウム」もコンタクトレンズに付着します。
視界が悪くなってしまうだけでなく、コンタクトレンズそのものの劣化をひき起こすこともありますので、注意が必要です。

コンタクトレンズの洗浄液の種類

現在、コンタクトレンズの洗浄液は主に3つのタイプがあります。

MPS(マルチパーパスソリューション)

ソフトコンタクトレンズの洗浄、すすぎ、保存、消毒を1液でおこなうことができ、現在もっとも普及している洗浄液です。
消毒効果がありますが、こすり洗いをしなければ微生物が増えていく恐れがあるので注意が必要です。また、レンズケース内で微生物が増殖する可能性もあるので装着前のすすぎも欠かせません。

過酸化水素系の洗浄液

強力な消毒力でコンタクトレンズをリフレッシュし、高い洗浄効果が期待できます。
非常に洗浄力が高いためコンタクトレンズを清潔に保つことができますが、一定時間の中和が必要になるため、一度洗浄をするとしばらく使用できない時間があります。
中和剤を使用せずコンタクトレンズを目に入れてしまうと、目に激痛がはしるので要注意です。

コンタクトレンズのケア方法

コンタクトレンズの洗浄やすすぎを水道水でおこなうと、コンタクトレンズに細菌などが繁殖する危険があるため、必ず洗浄液を用いましょう。
洗浄には、指でこすって汚れを落とす「こすり洗い」と薬剤の中にレンズをつけておく「つけおき洗い」があります。安全性を高めるためには併用することが理想ですが、こすり洗いは必ずおこなってください。コンタクトレンズの汚れはつけ置き洗いでは落とし切ることができないので、物理的な力でこすり落とす必要があるのです。
そして注意したいのが、通常の洗浄液では落ちないタンパク質の汚れ。タンパク質の汚れは空気に触れることで「変性タンパク質」へ変化し、装用感を悪化させて、瞳のトラブルの原因となってしまいます。最低でも2週間に1度はタンパク除去剤を使用し、コンタクトレンズに付着したタンパク質を除去してください。

レンズの素材とケア用品の相性をチェック

コンタクトレンズで多く利用されている素材に「HEMA素材」がありますが、近年では新たなコンタクトレンズの素材も増え始めています。新しいコンタクトレンズを試してみたいときは、まずは眼科医に相談しましょう。
眼科医での検査も問題なく、レンズケアもちゃんとしているのに瞳の調子が悪いときは、コンタクトレンズとケア用品の相性に原因があるかもしれません。「すべてのコンタクトレンズにOK」と表示されていても、今までのケア用品が、新素材のコンタクトレンズをケアする想定で作られていない可能性があるのです。
新素材のコンタクトレンズを使用する際は、眼科医にケア用品についても併せて聞いてみてください。

レンズケースも清潔に

1日交換タイプのコンタクトレンズを使用している方にはピンとこないかもしれませんが、コンタクトレンズの保管ケースに入れる保存液の交換を怠っていませんか?
元々不衛生に扱ってはいけないものですが、カビや雑菌が発生しやすい梅雨の時期は特に要注意。コンタクトレンズを装用したらケースの中の保存液を捨ててキレイに水洗いし、夜使うときまでに清潔な場所でしっかりと乾燥させてください。
ケースは定期的に交換すると安心です。もちろん、汚れてしまったり不具合が起こったりしたときはすぐに交換を。できればコンタクトレンズを使わなかった日もケアしておくと安心です。

手を清潔に保つことも重要

目の感染症を防ぐために、コンタクトレンズを扱う際は指先を清潔に保つ必要があります。出先でコンタクトレンズを外さなければならないけれど手を洗える場所がないときに頼りになるのが「携帯用除菌ペーパー」です。
電車のつり革、手すりやドアノブなどは不特定多数の方が触れるため、手にどんな雑菌が付いているかわかりません。携帯用除菌ペーパーでさっと手を拭けば、目だけではなくさまざまな感染症のリスクを軽減できます。
コンタクトレンズのケアがめんどくさいと感じた方は、思い切って1日交換タイプのコンタクトレンズに変えてみるのはいかがでしょうか。メリットはなんといっても、利便性と衛生面。1日ごとにリフレッシュできるのは、想像以上に快適です。

目がかゆくなる理由は?

どんなにコンタクトレンズのケアに気をつけていても、アレルギーや感染症を引き起こしてしまうことがあります。異変を感じた際はすみやかに眼科を受診してください。
目の感染症はコンタクトレンズだけが原因で発症するわけではなく、「花粉」「ハウスダスト」「動物性アレルギー」などさまざまな要因が考えられます。調べてみたらペットの毛が原因だったということもよくあります。
大事なのは、勝手な自己判断をしないこと。素人判断は思わぬ二次感染を引き起こす場合や、自分では気づかないうちに眼障害が進行している場合があるのでご注意ください。症状が軽いうちに治療できれば、深刻な問題に発展しづらいです。

目のトラブルを防ぐには?

目のトラブルを軽度の状態で発見、対応するためには「定期検査」がもっとも適切であり、唯一の方法かもしれません。3ヶ月に1度、眼科で検査を受けることで、病気を発見するだけでなく、瞳にキズがついていないか、コンタクトレンズ度数は合っているかなど、さまざまなトラブルを早期発見できるメリットがあります。
定期検査はメーカーが推奨、サポートしている場合もあるので、有効に活用しましょう。

まとめ

コンタクトレンズはケアを徹底してはじめて快適に使い続けられるものです。忙しい時や疲れている日は少し面倒かもしれませんが、そこはもうひと踏ん張り。日々の意識が、思わぬ目のトラブルの防止にもつながります。